少子高齢化に伴い、シニアマーケティングはビジネスにおいて注目を浴びる領域となっています。

自社新規事業として、シニア向けのビジネスを企画している企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、シニアマーケティングの成功事例やシニア層の特徴、シニアマーケティングが重要となっている背景や、成功に向けたポイントについて解説します。

 

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シニアマーケティングの成功事例3選!シニア層の特徴やシニアマーケティングの重要性、成功のポイントも解説のもくじ

シニアマーケティングの成功事例3選

シニアマーケティングにおける3つの成功事例とは

出典:写真AC(写真はイメージ)

本項では、シニアマーケティングの成功事例を3つ紹介していきます。

事例①:保険会社の成功事例

本事例では、クライアントとなる保険会社が提供する非対面型の保険商品の資料請求キャンペーンを実施しました。

 

シニアユーザーが興味を持ちやすい記事コンテンツを提供し、結果として3.1万人のリーチ獲得に成功、キャンペーンページへ14,000人のユーザーを誘導することに成功しています。最終的に70名以上が資料請求を行った結果となります。

 

認知から誘導、資料請求までの導線構築に成功した事例といえます。

事例:証券会社の成功事例

続いて紹介するのは、大手証券会社の成功事例です。

 

本事例において目的となったのは、新規口座開設や既存口座保有者の掘り起こし、Web送客や記事閲覧促進です。

 

動画での告知を行った結果、記事来訪者の30%が動画を再生し、そのうち最後まで視聴したのは27%。記事にリーチした人数は45,000人にのぼり、投資診断ツールのLPへ送客成功したのは2,000人という結果を収めています。

 

動画や記事コンテンツを利用してシニアの興味換気を行った成功事例といえます。

事例:一眼レフカメラ販売での成功事例

最後に紹介するのは、一眼レフカメラ販売の事例です。本事例では事業認知拡大・新規参加を目的として、弊社が運営するシニア向けSNS「らくらくコミュニティ」で企業公式アカウントを活用した訴求施策を行っています。

 

具体的には公式アカウントからクーポンを提供し、さまざまな記事コンテンツも展開。これらの施策により、30,000人がクーポンを閲覧し、対象となるLPへの誘導率は4.64%という数字を記録しています。

 

クーポンの表示数は目標の300%、写真教室への遷移率は231%、投稿記事の読了率も307%と、目標を大きく上回る成功を収めています。

 

本項で紹介した事例を参考に、自社でのシニアマーケティングの戦略構築に役立ててみてください。

シニア層の特徴とは?

シニア層の特徴を解説

出典:写真AC(写真はイメージ)

シニアマーケティングを成功させるには、各シニア層の特徴をおさえておくことが重要です。

アクティブシニア

アクティブシニアとは、健康的で経済力もあり、意欲的な生活を送るシニア層です。

 

アクティブシニアは趣味や学びに意欲を示す特徴があります。そのため、習い事や運動、友人との交流、旅行などにも積極的です。

 

一方、アクティブシニアは情報収集でインターネットやSNSを活用するのも特徴の一つです。情報への感度も高いシニア層といえるでしょう。

ギャップシニア

ギャップシニアとは、介護は必要ないものの、自身の健康や将来に不安を抱えているシニア層を指します。

 

ギャップシニアには介護は必要ありませんが、日常生活の中でさまざまなことができなくなっているなど、「できること」と「できないこと」のギャップを感じているシニア層といえます。

ディフェンシブシニア

ディフェンシブシニアとは、非就労で収入こそ少ないものの、健康に生活を送っているシニア層です。本項で紹介する4つのシニア層のうち、人口規模としては多数を占めています。

 

ディフェンシブシニアの特徴としては、贅沢な生活を送るのではなく、持っているお金で堅実な生活を送っている点が挙げられます。

ケアシニア

ケアシニアとは、介護・サポートを必要とするシニア層です。ケアシニアは生活の中でサポートや医療を受けており、家族や介護者などと生活を共にしています。

 

ケアシニアの場合自身で行動を起こすことが難しいため、本項で紹介する4分類の中では消費をはじめとした行動に消極的なシニア層に分類できるでしょう。

 

シニア層の特徴をおさえておくことで、自社事業を展開する際のターゲティングに役立ちます。

 

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シニアマーケティングが重要とされる背景とは?

本項では、何故シニアマーケティングが重要とされているのか、背景について解説します。

シニア市場の成長

みずほコーポレート銀行産業調査部のレポートによると、2025年までにシニア市場は100兆円を超えると見通しが出ています。

 

上記のデータが示すように、高齢化社会と呼ばれる現代において、大きなチャンスを秘めるシニア市場は、ビジネスにおいて無視できない領域といえるでしょう。

 

参考:みずほ銀行みずほ産業調査部

シニアのニーズ

シニア層にはさまざまなニーズが潜在しています。日本政策金融金庫が2019年に発表した「調査月報」によると、シニア層には「健康で長生きしたい」「新たなライフスタイルを築きたい」「自立生活を継続したい」など、さまざまなニーズで溢れていることを示しています。

 

このように多様なニーズを持っているシニア層に向け、ニーズに対応するビジネスを展開することで、大きな成功も見込めます。

 

参考:日本政策金融金庫「調査月報」

シニアマーケティングを成功させるポイントとは?

本項では、実際にシニアマーケティングを成功させるために必要なポイントを解説します。

綿密なペルソナ設定

シニアマーケティングを成功に導くには、大前提として綿密なペルソナ設定を行う必要があります。たとえば、「60代・男性」というペルソナ設定では、得られる情報は多くありません。

 

反対に、「66歳男性、練馬区在住、ドラッグストアでパートタイムの仕事をしている。5時半に起きて8時に出勤、17時に仕事を終えて家に帰る。休日は友人とゲートボールをするのが楽しみ」といったように、情報の解像度が高い方がターゲティングしやすくなります。

 

このように、シニアマーケティングにおいて的確な戦略構築を行う際は、綿密なペルソナ設定が不可欠です。

アナログとデジタルの両方でアプローチする

シニア層のステレオタイプなイメージとして、テレビや新聞といった媒体で情報収集をしているというイメージを抱いている人は少なくないでしょう。

 

しかしながら最近のシニア層はインターネットの活用にも積極的です。SNSを利用しているシニア層も多く、さまざまな媒体を通じて情報収集をおこなっています。

 

このことから、シニアマーケティングにおいて重要となるのは、テレビ・新聞・雑誌といったアナログメディアと、インターネットやSNSといったデジタルを掛け合わせて訴求するアプローチといえます。

表現に気を付ける

シニアマーケティングにおいて施策を実施する際には、表現への配慮が不可欠です。たとえば若者が見て「格好いい」と感じるようなビビッドな色彩を配した広告表現などはシニアに刺さりづらいでしょう。

 

反対に、温かみのあるデザインで分かりやすい表現を心掛けた広告などはシニアにも伝わりやすく、「魅力的」と感じてもらえる可能性があります。

 

あくまでもシニア層に向けた発信ということを念頭において、施策の構築を行っていきましょう。

シニアマーケティングの成功事例3選!シニア層の特徴やシニアマーケティングの重要性、成功のポイントも解説のまとめ