高齢者人口の割合が増加し、少子高齢化が進む中、注目を集めているのがシニアビジネスです。 大手企業だけでなく多くの企業がシニアビジネスへの参入を検討しています。このような背景のなかで、多くの企業が狙うシニアビジネスとは一体どのようなものなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、シニアビジネスの市場規模とシニアにアプローチするための具体的な手段について解説していきます。

シニアマーケティングにおけるリサーチの重要性とその方法を解説のもくじ

シニアマーケティングでリサーチが重要となる理由とは

出典:Freepik シニアの価値観を理解するためにリサーチが重要(写真はイメージ)

シニアとは、WHOでは65歳以上の人のことを指します。日本ではシニアの人口割合は増加の一途を辿っており、その傾向はまだ続くと予測されています。( 参照:統計局 ) 4000万人にも迫るシニアを一括りに捉えることは不可能といえるでしょう。

的確なマーケティングを実施するためにもリサーチは非常に重要です。リサーチを行うメリットは多くありますが、中でも特に以下のポイントが挙げられます。

シニアの価値観を理解できる

シニア世代はライフステージの変化に伴い、シニア特有の価値観が形成されます。リサーチによりシニアの価値観を知ることができます。例えば以下のような価値観が挙げられます。

  1. 加齢による身体や心の変化:「不安感」と同時に「健康でありたいという欲求」
  2. 子育て期の終了:「虚無感」を感じると同時に「開放感」を見出す
  3. 自分時間の増加:「自己」を再発見

年齢によるライフスタイルの多様性を確認できる

シニア世代にはライフステージの変化が多く現れます。退職や子離れ、親の介護などにより、これまでとは違う生活が訪れる点が特徴です。それぞれの選択や状況により、シニアといっても様々なライフスタイルがあることが、リサーチを通じて確認できます。

高齢者の自己認識の変化を把握できる

65歳からがシニアと定義されていますが、現在の65歳の方々は自分を「高齢者」と認識している方は多くないとされています。70代でも仕事を続けている人は「シニア」という自認は希薄でしょう。

昔のように年齢によって括ることは難しく、「シニア」という自己認識が個々人の状況によって変化があることをリサーチによって把握することができます。

このように、価値観やライフスタイルに特徴のあるシニア層にアプローチする場合、入念なリサーチは不可欠です。また、一昔前と現代ではシニアの自己認識に変化が見られ、ライフスタイルが多様化していることがわかります。

シニア世代にリサーチする方法5選

出典:Freepik シニア世代のリサーチではさまざまな方法が用いられている(写真はイメージ)

シニア向けリサーチとは、60代〜70代以上のシニアを対象とした調査・リサーチのことを指します。シニア世代のマーケットのニーズを探るために実施されるリサーチは、以下のような方法があります。

Webアンケート

2023年総務省が発表した「通信利用動向調査」によると、インターネットの年代別利用率は65歳以上が83.2%70代でも65.5%と、多くがインターネットを利用していることがわかります。Web上でアンケートを行う方法は、データを広く取得できるため活用されています。

インタビュー・シナリオベースファクトヒアリング

対面、もしくはオンラインで話を聞く手法です。シニア世代の思考や要求、要望などを直接聞き出すことができるため、深く掘り下げた調査が行えます。また異なるセグメントからリサーチすることができるので比較調査などにも有用です。

電話での聞き取り調査

電話で相手にヒアリングを行う方法です。その場で具体的な回答を得られますが、長時間の調査は見込めないため、少ない質問数でデータを得られる内容には向いています。

グループインタビュー・座談会

数人を集めたインタビューで、質問者だけでなく自由な意見のやり取りが期待できます。双方向のコミュニケーションが取れるので、テーマについて様々な意見を、多角的に得ることが可能です。

DM調査

封書やハガキ、情報誌やカタログ、同梱パンフレットにて、調査対象者の手元にダイレクトメールを届け、それに回答してもらう方法です。DMを受け取って、尚且つそれに返信をする顧客というのは、商品やサービスに対しての高い熱量を持っている顧客である場合が多いため、賞賛の言葉や、改善点の要望、またクレームであったとしても企業側には貴重な意見となります。

モニターテスト

指示通りに試験品を使用してもらい、その結果についてアンケートを取る、効果を計測するリサーチ手法です。そこで得た評価や反応を確認して改善に役立てることができます。商品やサービスの課題をローンチ前に発見し、改善することができる一方、情報漏洩やデータ不足などの問題も抱えています。

シニア世代の実態をリサーチする際、アプローチする方法は多岐に渡ります。得たい情報やアプローチしたい層によって、さまざまなリサーチ方法を利用できる環境を整えておくのは重要です。

シニア層にリサーチを行う際に注意すべき点とは

特にインタビューや座談会の方法をとる場合には注意が必要です。これは近年、感染症の不安から、対面でのインタビューを避けるシニア層の傾向に起因します。 そのためインタビュー調査を行う際は、事前にインタビュー形式について了承を得ておきましょう。

Webアンケートの方法とは

本項では、Webアンケートの方法などを解説します。

Webアンケートとは

ブランドや商品・企業自体の認知度や、購入・リピート率、顧客満足度といった明確に数値や量で表せるデータをオンラインで集計し、分析する方法です。 数値や量で表せるデータを大量に取得しやすいアンケートリサーチは広く活用されています。

Webアンケートの実例

シニア世代でも盛んに使用されているインターネット、またSNSを介してアンケートを取ります。 アンケート特典として初回購入の割引やサンプル品の提供など、購入へと促す導線として行われるケースも多く散見されます。

Webアンケート・ネットリサーチに向いているビジネス

化粧品や食品配送サービスなど、サブスクリプションと紐づいたサービスや商材と相性が良い手法です。初回購入やお試しへのハードルを下げてブランドを認知してもらうのに役立ちます。また、顧客データを取得できることも大きな利点です。

 

Webアンケートは数値を集計する形式のため、分析に役立つリサーチ方法です。 定量的なデータに基づいたマーケティング戦略の構築はシニアマーケティングにおいても不可欠の要素です。まず数字をしっかりと分析したうえで戦略を策定したい場合には、Webアンケートは有効手段といえます。

インタビュー・ヒアリングの方法とは

続いては、インタビュー・ヒアリング形式でリサーチを行う方法を解説します。

インタビュー・ヒアリングとは

インタビュー・ヒアリングとは、11で対面もしくはオンラインにて、顧客の購買意欲や行動を深掘る調査手法です。 シニア世代の欲求や要望を本人から直接聞き出すことができるので、年齢層やライフスタイルの異なるシニア世代のインサイトを調査することが可能です。

インタビュー・ヒアリングの具体的な方法

SNSなどで広くインタビュー対象者を募集することも可能ですが、必要なデータを得るためにもリサーチ会社で被験者を募ることがおすすめです。また、インタビューやヒアリングをした後の分析についても知見を持った会社と組んで行うケースが多くあります。

Webインタビュー・ヒアリングに向いているビジネス

ニッチな商材や高価格帯の商材の広告展開に有効な方法です。「売りにくい」「ターゲットが狭い」商品は、顧客のインサイトを深く掘り下げる必要が高く、そのためにはターゲットとなる一人一人の話を聞き、分析に活かすことが重要です。

 

インタビュー・ヒアリング形式のリサーチは対話をしながら深掘っていける分、シニア層の購買意欲や行動を理解するのに役立つ手法といえます。

モニターテストの方法とは

最後に、モニターテストを実施する際の方法を解説します。

モニターテストとは

調査の対象条件に当てはまるモニターに、商品やサービスを実際に利用してもらい、意見や使用感、感想を集める調査方法です。回答方法にはアンケートや回答用紙を用意したり、効果を計測したりします。

モニターテストの具体例

自宅に商品を送ったり、オンラインでのサービスを提供したりして実際に使ってもらいます。シニア向けのアプリやサービス、商品では、開発時の先入観が実際のシニア層が求めているニーズと乖離してしまうケースがありますが、それを避けることが可能です。

モニターテストにマッチするビジネス

健康食品や化粧水、グッズ、アプリなど色々な商材に向くリサーチ方法です。特に一度の使用だけでは効果を感じにくいものを期間や個数を決めて提供し、使用の感想を細かくフィードバックを得ることが可能です。実生活においての調査となるため、より具体的でリアルなデータが期待できます。

 

モニターテストは商品やアプリのリサーチに向いた方法です。 自社商材のリサーチにモニターテストがマッチすると感じた場合には、実施を検討してみてはいかがでしょうか。

シニアマーケティングにおけるリサーチの重要性とその方法を解説のまとめ

本記事ではシニア市場におけるマーケティングリサーチについて解説しました。また、シニアマーケティングの中でのリサーチの方法を挙げ、それらを実施する具体的な方法も説明しました。 多様化するシニア像に対応したマーケティングを行うためにもしっかりとリサーチをして効果的に広告を展開したいものです。 リサーチするためには、被験者の準備や、リサーチプランの組み立て、またリサーチで得た情報を分析することが重要です。それらを自社だけで行うことはなかなか容易ではありません、その場合は是非実績を多数重ねた弊社にご相談ください。

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