シニアマーケティングでは、シニア層をアクティブシニアやディフェンシブシニアといった分類で区分けし、それぞれの傾向を把握してマーケティング戦略を立てることがあります。 本記事ではシニア層における「4つの定義」の違いや特徴を紹介し、それぞれに適したマーケティング戦略について解説します。
アクティブシニアとディフェンシブシニアの違いとは?シニア層の特徴を徹底解説のもくじ
シニア層における「4つの定義」とは
シニアビジネスにおいては、高齢者をひとくくりにするのではなくアクティブシニア、ディフェンシブシニア、ギャップシニア、ケアシニアと区分して市場調査を行い、それぞれの特徴に合わせてビジネスを展開します。本項では各シニア層の特徴や違いについて解説します。
アクティブシニアの特徴
60代〜70代中盤にかけた前期高齢者で、趣味や仕事に対して意欲的な層を「アクティブシニア」と区分けする傾向があります。
アクティブシニアの特徴は以下の4点です。
・健康的かつ行動的で、自立している
・金銭や時間に余裕があり、何に対しても意欲的
・SNSやインターネットを活用している
・自己実現欲求がある
アクティブシニア層は活動的で心身ともに健全なシニア層を指します。
そのため定年後も再就職や起業といった形で就業しており、充実したセカンドライフを送る方が多いです。金銭的にも余裕があり、インターネットなどのデジタルテクノロジーにも精通しているところから、シニアマーケティングにおいてはアクティブシニアに対していかに訴求するかが重要なポイントとなるでしょう。
ディフェンシブシニアの特徴
健康上に大きな問題はないものの、消費行動が消極的なシニアを「ディフェンシブシニア」と呼びます。ディフェンシブシニアは、定年後の年金収入をメインとする層です。守りに重きを置いたライフスタイルが特徴であり、身も心も活動的なアクティブシニアとは対照的な存在といえます。
ディフェンシブシニアの特徴は以下の4点です。
・健康で自由に活動できる
・扶養家族がいる、または扶養義務を負担に感じている
・収入は年金がメインであり、金銭的余裕はあまりない
・時間の使い方を自分で決められる
ディフェンシブシニアのメイン収入は年金のため、贅沢な消費活動を好みません。それよりも生活必需品をはじめに、暮らしに寄り添う物事やサービスに関心を持っています。4つに分かれるシニア人口の中で規模が最も大きい層だといわれています。
ギャップシニアの特徴
ギャップシニアは健康状態や将来への不安を抱えているシニア層です。
「出来ること」と「したいけれど出来ないこと」に関してのギャップを抱えているため、ギャップシニアと呼ばれています。
ギャップシニアの特徴は、以下の4点です。
・介護状態にはないが、身体機能が低下し生活が不便を感じている
・不安や孤独を抱えている
・行政の目が届きにくく、孤立しがち
・出来ることが少なくなり、物事を諦めざるを得ない
ギャップシニアは身体の衰えに伴い、活発な行動が難しくなってしまったシニア層です。要介護状態ではないため、行政や福祉の目が届きにくい点も問題に挙げられるでしょう。こういったギャップシニア層に対しては、日常における悩みを解決できるサービスや、孤独や不安感を取り除くコミュニケーションツールの展開が効果的です。
ケアシニアの特徴
要介護状態にあるシニア層のことをケアシニアと呼びます。ケアシニアに関しては、家族をはじめに医療従事者や福祉事業者のサポートが必要です。
ケアシニアの特徴は、以下の4点です。
・収入は年金のみ
・自治体から要介護認定を受けている
・商品やサービスの利用が可能
・制度や行政が関与する
自宅療養を行っている方や、介護施設に入居している方など「ケアシニア」といっても生活のレベルは人それぞれ。しかしケアシニアが商品やサービスを利用する際は、第三者が判断を行うのが一般的です。そのため、自社商材を展開する際は医療や介護といったサービス事業者をターゲットとして設定しましょう。
本項では各シニア層の特徴や違いについて詳しく解説しました。
4つの定義中において、アクティブシニアは趣味にお金や時間を費やしていきたい高齢者であるとされています。またアクティブシニアは国内のシニア人口の約24%を占めていると言われているため、自社商材を展開する際はアクティブシニアの興味・関心を把握するのが大切です。
参考:https://www.j-longlife.co.jp/column/article/active_seniors_and_the/
アクティブシニアの興味・関心
」
出典:Freepikアクティブシニアの興味・関心を理解して、自社マーケティングに活かすことが重要(写真はイメージ)
本項では今後のシニアビジネスのキーパーソンとなるアクティブシニアの興味・関心について紐解いていきます。
健康維持・病気予防
アクティブシニアはいつまでも健康で楽しく暮らしたいと願っています。
そのため、健康維持や病気予防といった情報には興味・関心を持つでしょう。
新しい趣味の発見
日々さまざまな情報を収集するアクティブシニアは、新しい趣味を発見したいという願望を持っています。インターネットを駆使し、興味のある物事を発見すればすぐに行動する気力と体力も持ち合わせているので、さまざまなアクティビティを提供してあげましょう。
社会的なつながり
昨今のアクティブシニアはSNSやインターネットを駆使して他者とのつながりを大切にする傾向が強いため、共通の趣味を持っている人とつながりの機会が得られる点を訴求するのも有効です。
本項ではアクティブシニアの興味・関心のある物事について解説しました。アクティブシニアの興味関心を紐解くことで、今後のシニアビジネスに活かせるでしょう。
アクティブシニアに訴求する方法
本項では、上記での特徴をもとにアクティブシニアに効果的な訴求方法について解説します。
・アクティブシニア層にターゲティングしたWeb広告
・チラシなどのポスティング
・メディアを活用したプロモーション
昨今、多くの高齢者がスマートフォンやインターネットを活用する時代になってきました。その背景から、Webサイトに広告を掲載するのも良い訴求方法となるでしょう。Web広告は年齢や性別、居住地、興味・関心など、配信対象を細かくターゲティングできれば、自社商材の売上につながる可能性があります。
健康で購買意欲の高いアクティブシニアには、チラシなどのオフラインでの訴求はもちろんWebを活用したプロモーションも同時に行うと効果的です。
シニアマーケティングを成功に導く3つのポイント
本項ではシニアマーケティングにおいて重視した3つのポイントを解説します。
4つのシニア層に共通する事項がありますので、ぜひチェックしてください。
シニア層の興味関心を把握する
シニアマーケティングを成功させるためには、まずシニア層の興味関心を把握しましょう。アクティブシニアが興味関心のある健康や趣味、旅行といった話題を提供し、自社サービスへ誘導することが重要です。
信頼性や安心感を与える施策
どのシニア層においても、利用するサービスには安心感や信頼性を求めています。
自社商材やサービスが信頼におけるものであることを広告やチラシでアピールすると、効果を高めることが可能です。
ペルソナを明確に設定する
シニアマーケティングではペルソナを明確に設定するのが重要です。
シニア層は4つの定義に分けられており、それぞれ興味関心が異なります。
年齢や性別、住んでいる地域や生活スタイルなどを深堀し、どういったニーズがあるのかを吟味したうえでマーケティング戦略に落とし込んでいきましょう。
なお、アクティブシニアをターゲットとしたマーケティングについてはこちらの記事でも解説していますので、ぜひ併せてチェックしてみてください。
アクティブシニアマーケティングの成功戦略とは?最新トレンドも紹介
アクティブシニアとディフェンシブシニアの違いとは?それぞれの特徴を徹底解説 のまとめ
出典:Freepik 各シニア層の考え方や需要をしっかりと把握して、シニアマーケティングの成功を目指す(写真はイメージ)
本記事ではアクティブシニアとディフェンシブシニアの違いや特徴を紹介し、シニア層に適したマーケティング戦略のポイントを解説しました。
アクティブシニアとディフェンシブシニアをはじめに、各シニア層では考え方や需要が全く違います。まずは各シニア層の興味関心を把握し、自社のサービス・商材はどちらの層にニーズがあるのかを考えなくてはなりません。今一度ペルソナをしっかりと確立し、シニアマーケティングの成功を目指しましょう。