シニア層の利用するメディアもさまざまです。紙媒体はもちろん、Web媒体のメディアの利用も当たり前になっています。
では、シニア向けビジネスで重要とされるアクティブシニアの利用するメディアにはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、アクティブシニアの利用メディアに関するアンケート調査結果やビジネスを展開するうえで効果的なメディアについて解説します。
アクティブシニアの利用メディアは?アンケート調査結果や効果的なメディアを紹介のもくじ
アクティブシニアはメディアを利用する?
出典:PhotoACアクティブシニアのメディア利用の実態(写真はイメージ)
総務省が発表している令和3年版の「情報通信白書」によれば、シニア層のメディア利用状況としては、電子メールの送受信、情報検索、SNS利用が主となっています。
さらに商品・サービスの購入や取引についても経験のある人たちが多いと報告されています。
こうしたデータから、アクティブシニアにスマートフォンが普及していることや、情報収集やコミュニケーションツールとして日常的にスマートフォンを利用していることがわかります。
出典:総務省|令和3年版 情報通信白書|インターネットの利用状況
本項で紹介した内容からわかるように、アクティブシニア層もインターネットをはじめとした多様なメディアを活用しています。
アクティブシニアの利用メディアに関するアンケート調査結果
本項では、弊社がシニア層を対象に実施した、アクティブシニアの利用しているメディアに関するアンケート調査結果を紹介します。
Q.情報収集をおこなう際、どのようなメディアで情報を集めていますか?
上記のアンケート調査結果では、アクティブシニアが情報収集をおこなう際に利用するメディアとして一番割合が高かったのは「インターネットでの検索」(86.3%)で、次いで「テレビ」(54.9%)、「新聞」(37.3%)とランキングが出ています。
テレビ・ラジオといった従来からシニア層の情報源になっていたメディアが依然として強い支持を集めてはいるものの、インターネットを活用した情報収集がシニア層にとっての「当たり前」となっている点は特筆に値するでしょう。
また一方で、「雑誌」(11.8%)よりも「友人の意見」(13.7%)、「配偶者・家族の意見」(15.7%)をもとに情報を得ているシニアが多い点にも注目といえます。上記データはシニア層の情報収集において、身近な人々が重要な役割を果たしていることを示しています。
Q.最も閲覧(利用)頻度の高いメディアは何ですか?
一方、上記グラフは利用頻度の高いメディアについての調査結果です。こちらの調査結果では、テレビ、インターネットがほぼ同じ割合となっており、次いで新聞、ラジオ、配偶者・家族の意見と続きます。
こちらのデータを見てもわかるように、アクティブシニアを含むシニア層にとって、テレビやラジオ、新聞といった従来からシニア層にとって「信頼できるメディア」に、新たに「インターネット」が入ってきています。
シニア層にとっても、情報収集の手段が多様化していることを示唆したデータといえるでしょう。
シニア層の情報収集は最早従来の「テレビ・新聞・ラジオ」の3強時代ではなくなっています。テレビ×インターネットが重要な情報源として利用されています。インターネットの活用も頻繁に行うシニア層にとって、情報を得るソースは多様化しつつあるといえるでしょう。
アクティブシニアへアプローチする際に効果的なメディア
出典:PhotoACアクティブシニアへのアプローチで効果的なメディアとは(写真はイメージ)
前項では利用メディアに関するアンケート調査結果を紹介しましたが、調査結果を踏まえたうえで、アクティブシニアにアプローチをかける際、効果的なメディアはどういったものになるのでしょうか。そこで本項では、アクティブシニアへアプローチする際、効果的とされるメディアについて解説します。
テレビ
前項で紹介した弊社のアンケート調査結果でも示されていた通り、テレビは依然としてシニアにとって重要な位置を占めるメディアとなっています。
現在、アクティブシニアを含むシニア層が情報収集において、最も多く利用しているメディアはテレビ、インターネットが拮抗している状況です。そのため、インターネットの利用割合が多いからといってテレビを活用した施策を怠るのは得策ではありません。
たとえば、テレビCMを活用し、シニア層に向けて広く認知を広めつつ、さらに詳細な情報をインターネット上で提供することで、シニアに対する「認知」と「情報提供」を行うことができます。これにより、自社商材の認知度アップ、見込み客の増加や問い合わせ率の向上といったポジティブな効果が期待できるでしょう。
単一のメディアに偏った施策展開を行うのではなく、「テレビ」「インターネット」と現在シニアにとっての軸となるメディアで多角的に訴求施策を行うことで、より高い効果が見込めます。
インターネット
インターネットによる情報発信シニアに対するアプローチとして有効です。
インターネットを活用してシニアにアプローチする場合、LPを見やすいレイアウトで設置する、ホームページ上で自社商材に関する詳細な情報や動画を提供するといった施策が有効です。
特にシニア層の場合、動画視聴に慣れていることが多いため、動画を通じて商品説明をするのが効果的といえます。
新聞・雑誌
アンケート調査結果での割合は「テレビ」、「インターネット」には及びませんでしたが、新聞や雑誌も、アクティブシニアを含むシニア層にとっては依然として重要な情報源であり、企業側にとっては無視できないメディアといえます。
割合や頻度が高いといっても、全てのシニア層がインターネットを毎日チェックし、テレビから情報を得ているわけではありません。中には毎朝新聞をチェックし、雑誌を定期購読しているシニア層も数多くいます。
そのため、新聞に自社商材の広告を掲載する、シニア向け雑誌で広告を掲載する、特集記事を組んでもらうなど、紙のメディアを活用した集客施策にも取り組んでいくことで、より幅広い層への訴求効果を見込むことが可能です。
新聞、雑誌はもう古いからと集客施策を行わないのではなく、幅広いシニア層に向けて認知と情報提供を行うために、新聞・雑誌を活用した施策を積極的にしていきましょう。
シニア向けSNS
SNSは若者だけに人気のツールではありません。TwitterやInstagramといった現在主流となっているSNSはもちろん、シニア層向けのSNSを活用し、情報収集や友人・知人との交流に活用するシニアも増えています。
シニア向けSNSを活用した集客におけるアプローチとして有効なのは、キャンペーンの実施をSNS上で告知する、自社商材に関する特集記事を組んでSNS上に掲載するといった施策群が挙げられます。
上記施策を行うことで、自社や自社商材の認知獲得、新規顧客の獲得など、さまざまな効果を見込むことができます。また、シニア向けのSNSを活用することで、シニア層と長期接点を持つことができます。
また、シニア向けSNSの運用においてはツールを使った効果測定も行いやすいため、継続的な施策運営のための改善も図りやすい点は明確な魅力といえるでしょう。
アクティブシニアを含むシニア層へのアプローチでは、新聞・雑誌といった従来シニア層にとって主流を占めていたメディアはもちろん、インターネットやテレビ、SNSなどを複合的に活用し、多角的な戦略を展開していくことが重要です。
アクティブシニアにメディアを通じてアプローチするポイント
本項では、アクティブシニアにメディアを通じてアプローチする際のポイントを解説します。
ペルソナ設定を明確にする
まずはペルソナの設定を明確にしておきましょう。
たとえば地域住民のシニアを対象としている場合、ペルソナ設定として必要な情報は「どこに住んでいるか」「年齢と性別」「趣味趣向」「生活のリズム」など、細かにペルソナ設定をしていくことにより、ターゲットとなるペルソナの解像度を上げることができます。
ペルソナを明確に設定しておくことで、施策展開もしやすく、思うような効果が出なかった場合の改善にも移りやすいため、必ず行うようにしましょう。
アクティブシニアのニーズを理解する
アクティブシニアを対象にアプローチする場合、どういったニーズがあるのかを理解しておくことが重要です。アクティブシニアの特徴として、以下の点が挙げられます。
・検討期間が長期であること
・複数の情報源を活用すること
・慎重な性格であること
・広告であることをスグに見破ってしまう
たとえば健康に問題・不安のないアクティブシニアもいれば、将来的な健康不安を見据えているアクティブシニアもいるでしょう。前者であればイベントやレジャーといったものに対するニーズ、後者であれば健康食品などに対するニーズが想定されます。
このように、アクティブシニアとひとくくりにするのではなく、自社商材のターゲットとなるアクティブシニアがどういったニーズを持っているのか、事前に分析を進めておくのが重要です。
まとめ
本記事では、アクティブシニアの利用メディアに関するアンケート調査結果や、アクティブシニアにアプローチする際効果的なメディアなどを解説しました。アクティブシニアはシニアマーケティングを成功させるうえで重要なシニア層です。利用メディアの実態を把握し、施策展開に活用していきましょう。