自社製品やサービスの販売促進のために、様々なマーケティング施作を立案・実行している企業は多くあります。 特に、近年注目の集まっているシニア世代は、企業にとって無視できない市場です。 なかでも、シニア向けの化粧品、健康食品や、70代以上を対象とした旅行ツアー、ホテルプラン、サポート付き自動車は、シニアにアプローチをかける上で効果的な商品といえます。 とりわけシニアマーケティングにおいては、アクティブシニアへのアプローチが効果的なため、多くの企業がさまざまなマーケティング施策を試行錯誤しています。 本記事では、アクティブシニア層向けの効果的なマーケティング施策について解説していきますので、参考にしてください。
アクティブシニアとは?
アクティブシニアとは、「仕事や趣味などに積極的で、そこにお金や時間を費やしたいと考えている、健康に対する意識が高い活発な高齢者」の通称です。明確な定義はありませんが、主に65~75歳の前期高齢者を主に指します。シニア層は大きく分けて「ケア・シニア」「ギャップ・シニア」「ディフェンシブ・シニア」「アクティブシニア」の4層に分類可能です。みずほコーポレート銀行産業調査部による「みずほ産業調査vol.39 日本産業の中期展望」では、アクティブシニアは65歳以上の高齢者の約8割を今後占めるとされています。
アクティブシニアへのマーケティングが有効な理由
出典:photoAC マーケティングのターゲットとして最適なアクティブシニア(写真はイメージ)
先述したように、シニア層には4つの分類がありますが、そのなかでもアクティブシニアにアプローチするのが最も効果的です。では、なぜアクティブシニアをターゲットにしたマーケティングが最適なのかを解説します。
就労に対して意欲的
経済的、時間的余裕のあるアクティブシニアのなかには、収入を得るだけでなく、社会貢献という意識を持って就労している人が少なくありません。事実、ボランティアや地域活動に積極的に参加する高齢者も多く見られ、就労=収入源というだけでなく、社会と繋がり、自身の経験や知識を活かせるという意義を見出す方もいます。
健康に対する意識が高い
60代、70代になっても自分で毎日の生活を支障なく送ることができるアクティブシニアは、その状態をできる限り長く保ちたいと考えています。そのため、健康に対する意識が高いです。また実際に運動や健康維持のための活動に時間やお金を割くことが可能です。このような背景から、アクティブシニアは健康に関する情報を積極的に収集する傾向にあります。
趣味にも意欲的
アクティブシニアは旅行や習い事などの趣味に対しても意欲的です。特に新しいモノやコトに柔軟で、自分自身も新しい価値観を手に入れたいと望むシニアが増えています。
このように、就労への意識が高く、健康や趣味に対して積極的なため、アクティブシニアにアプローチすることは効果的です。
アクティブシニアマーケティングを成功に導く3つのポイント
出典:photoAC アクティブシニアへのマーケティングを成功させるポイント(写真はイメージ)
アクティブシニアへのマーケティングを成功へ導くためにはどのようなことに気を付けなければならないのか? ポイントを3つご紹介します。
ターゲットを絞り込む
時間的、経済的に余裕のあるアクティブシニアは、自分のためにそれらを有意義に使う傾向にあります。また、新しい物や経験に対しても意欲的で、旅行や習い事、また運動などに積極的に取り組む人が多くいます。
アクティブシニアといっても、就労の有無、生活環境、興味の対象は個人によって大きく異なります。
就労に対しても、生活費を賄うためだけでなく、健康のためや生きがいを得るためと、仕事をする理由は様々です。
アクティブシニアといっても、就労の有無、生活環境、興味の対象は個人によって大きく異なります。
就労に対しても、生活費を賄うためだけでなく、健康のためや生きがいを得るためと、仕事をする理由は様々です。
生活環境としては、居住地域が都市部と地方では、利用する交通手段や商品や情報を得る手段にも違いがあります。また、子らと同居しているか、夫婦世帯だけか、もしくは独居なのかによって、消費行動に影響があります。
興味の対象も、旅行や運動、ボランディア活動など外に出るスタイルもあれば、読書や投資などの学びといったインドアスタイルの趣味も人気です。
上記のように様々なペルソナが想定されるのは、時間的にも経済的にも余裕があり、そして身体的な不安の少ないアクティブシニアならではと言えます。
そのため、どのような暮らしを送る人がターゲットなのかを見極めてターゲットを絞り込むことが必要です。
自社ポジションを明確にする
次に、自社のポジションを明確にする必要があります。ターゲットに据えるアクティブシニアのニーズに対して、自社のサービスや商品はどのような価値を提供できるでしょう。
また、その価値の独自性について分析することも重要です。それにはまず、自社の立ち位置を正しく認識することが重要といえます。
上述のように、様々な人物像が想定されるアクティブシニアに対しては、提供する商品やサービスがニッチなものであったとしても、的確な広告展開によってヒットに繋げることが可能です。細かなペルソナ設定と、明確化した自社ポジションがマッチするかどうかが、その後の訴求が成功するかどうかの鍵となります。
自社の商材で、ターゲティングした層にアプローチできるのかを事前に検討することで、「施策が刺さらなかった」などの失敗を未然に防ぐことができるでしょう。
PDCAを継続的に回す
ニーズを掴んで、自社の特性を載せた商品やサービスが見つかったら、その後は購入を促すアプローチとして、P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(改善)を積み重ねて目標に到達するまでサイクルを回していきましょう。
以上のように、アクティブシニアの集客を成功に導くためには、ターゲットとなるアクティブシニアのペルソナを明確に設定することが重要です。 同様に、自社のポジションを改めて見直し、自社ならではの強みを再確認することも不可欠でしょう。
アクティブシニアマーケティングの成功事例
アクティブシニアマーケティングを成功させている事例を見てみましょう。
リオン株式会社 様:公式アカウントで継続接触・ブランド認知の向上
シニア向け商材としては主に補聴器を販売しているリオン株式会社の事例を見てみましょう。
補聴器は聴力に問題を抱えたシニアの生活には欠かせないアイテムですが、専門性の高さから一般的な広告展開は難しい商材です。同社はらくらくコミュニティ内の同社公式アカウントを活用し、投稿を通じて耳の健康に関する情報の提供を開始。
さらにユーザーとの双方向的なコミュニケーションをとることで、運用開始半年で大きな成果を収めていました。フォロワーは3,000人を突破し、ブランドの認知度は施策開始前の3.5倍、ブランド好意5倍に向上しています。
株式会社 キタムラ 様:クーポン提供による来店促進施策
日本最大級のカメラの専門店、カメラのキタムラもアクティブシニアへのアプローチに成功しています。らくらくコミュニティ内の公式アカウントを通じ、同社の事業である「スマホ個別教室」や「写真教室」といったサービスの参加促進企画を訴求。
投稿を通じてスマホなどのデジタル機器に関する情報提供をおこなうことで、一連の施策で成功を収めています。
らくコミュクーポン表示数は目標値の300%、写真教室への遷移率は目標の231%、投稿記事読了率も目標の307%と、いずれも高い達成率を記録しています。
アパサービス株式会社 様:シニア層にタイアップ記事でブランド認知向上
続いて紹介する成功事例はアパサービス株式会社です。同社では旅行好きのシニア層の認知向上を目的に据え、らくらくコミュニティ内にタイアップ記事広告を出稿しました。「旅行に便利なアパホテル」というイメージを与える記事を掲載することで、成果を収めています。
実際、記事の閲覧ユーザーに向けて実施したアンケート調査によれば、アパホテルの利用経験がないと答えたユーザーのうち、82%が利用意向、13%が次回旅行での利用意向を示しています。一連の施策により、アパホテルへの利用意向度向上に大きく貢献したといえるでしょう。
アクティブシニア層に向けた効果的なマーケティング戦略のまとめ
ここまでで、アクティブシニアの定義、アクティブシニアにアプローチすることの有効性や、成功の秘訣、実際の成功事例を解説しました。 アクティブシニアは活動的なシニア層であり、シニアマーケティングを成功に導くうえで必ず向き合う必要のあるターゲットといえるでしょう。
しかし、シニアマーケティングに対する情報は少なく、どのようにアプローチしていけばいいのか分からないという人も多いかと思います。
そのような場合は、専門家に一度相談してみることもおすすめです。 弊社でもシニアマーケティングに関するお問合せを受け付けておりますので、もしシニアマーケティングに関することでお困りのことがあれば、ぜひお問合せください。