今や高齢者市場は100兆円とも言われており、シニアをターゲットにしたビジネスに参入しようとする企業も多いのではないでしょうか。 ただ、シニア市場で結果を出せている企業は多くはなく、またシニア層に向けたアプローチ方法に悩まれている方も少なくありません。

今回は、なぜシニアマーケティングが難しいとされるのか、そしてどのようなマーケティング施作がシニア向けビジネスを成功へと導けるのか、成功事例を紹介しながら説明します。

シニアマーケティングは難しい?シニア向けビジネスのポイントを成功事例と併せて紹介のもくじ

シニアマーケティングは難しい?

出典:Freepik 多様だからこそ、シニアは難しい(写真はイメージ)

多くの企業が参入を試みる魅力的な市場であるにも関わらず、シニアマーケティングが難しいと言われているのはなぜでしょうか。理由は以下に挙げられます。

「シニア」は多様

シニアという言葉でどのような人物像が頭に浮かびますか?

「白髪の男性」「孫に囲まれている笑顔の老夫婦」など、多様なイメージが浮かぶはずです。

一般的にシニアとは65歳以上の人を指します。つまり、65歳も100歳以上でもシニアとされます。

そのシニアの多様性こそが、シニアマーケティングが難しいとされる大きな要因です。
シニアは、健康状態や経済状態、生活環境などで大きく以下の4つに分類されます。

上記の分類だけを見ても、シニアには様々な状況や状態があることがわかります。

 

広告主の商品やサービスが、どのタイプのシニアをターゲットとするのかを見極めることがシニアマーケティングにおいて最初に直面する難しさです。

ターゲットのリアルを把握しづらい

多様性に富んだシニア層の実態を把握することは容易ではありません。

上述の4分類に加えて、居住地域や家族構成によってシニアのライフスタイルは違います。

 

また、パートナーの介護や死別など、ライフステージの変化もシニアを細かく分類することを困難にします。

 

それにより、詳細なペルソナ設定が求められるにも関わらず、ターゲットとするシニアの実態が把握しきれず、マーケティングが頓挫してしまうケースもあります。ペルソナが定まらないままマーケティングを実施すると、失敗に終わることもあるでしょう。

実績・データが乏しい

シニア市場は急激な高齢者の人口増加と高齢者人口率の上昇により生じた新しい市場のため、参考になる過去の事例やデータが少ない点も、シニアマーケティングが難しいとされる一因です。

広告戦略において、必要なデータが十分得られないと、時間やコストがかかるだけで、望ましい訴求効果を得ることが困難になります。

シニア市場を専門的に行う広告代理店やコンサルティング会社も現れていますので、足りない部分はそのような企業をパートナーとして迎えることも考えてみましょう。

シニア市場は急拡大した市場です。 また、「シニア」という言葉に頼ってマーケティング戦略を立てても、60代〜100歳以上の方もシニアに含まれるため、ターゲットは実に多様です。
そのためペルソナ設定の緻密さが鍵となり、的確なマーケティングが難しいとされています。

シニアマーケティングを成功させるためには?

出典:Freepik シニアマーケティングを成功させるには、ターゲティングなどが重要(写真はイメージ)

難しいとされるシニアマーケティングですが、成功させるためにはいくつかポイントがあります。本項でそれぞれ説明します。

 

なお、シニアマーケティングについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてチェックしてみてください。

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アクティブシニアをターゲットに設定する

シニアマーケティングを成功させるためには、先の4つの分類のうち、アクティブシニアをターゲットに設定することがおすすめです。

なぜなら、健康面、経済面で不安の少ない層だからです。健康で経済的にもゆとりのあるアクティブシニアの人々は、消費行動に積極的で、新しい価値観を受け入れやすい層です。

興味の対象が幅広く、色々な商材をマッチさせやすい、優良ターゲットだと言えるでしょう。

ペルソナを緻密に設定する

ペルソナ設定はマーケティングの基本です。特に様々に多様化しているシニアマーケティングにおいては、詳細なペルソナ設定が必要です。

ただ、まだ新しい市場であり、実態が掴みにくいシニア市場ではペルソナを緻密に設定することが難しいことは前述のとおりです。

自社の商品やサービスを利用するターゲットは、どこに住み、どのような嗜好で、家族構成や趣味や仕事はどうなのか、といったことをリサーチやアンケートなどを行いながら、事細かに設定していきます。

その場合、シニア層をターゲットとする広告代理店やコンサルティング会社をパートナーに迎え、マーケティング戦略を進めることも成功に繋がるポイントです。

アクティブシニアに適した広告媒体を選択する

シニア層には従来型のマスメディアが強いですが、シニアの中でもアクティブシニアはデジタルメディアでの訴求が効果的な層といえます。

例えば、シニアのネットショッピングの利用割合をみてみましょう。(参照:新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング|総務省統計局)コロナ後の2020年からは65歳以上の年代では他の年代と比べても著しく伸びています。

2020年6月では31.2%と変わらず高まってます。スマートフォンやタブレットを日常的に使いこなすアクティブシニア層にはWebメディアも非常に有効です。

SNSで情報を得る、情報交換をしているアクティブシニアも多く、またシニア向けのSNSも利用者を増やしています。SNSでの広告訴求も有効といえます。

自社の製品やサービスが、どういったターゲットに向けて、どのようにアプローチするのか、徹底的にリサーチとペルソナの設定をすることで、シニアマーケティングを成功させることは可能です。

シニアマーケティングでおすすめのキーワード

アクティブシニアマーケティングでのおすすめのキーワードを紹介します。

 

健康・予防介護

アクティブシニアは毎日を活動的に過ごすために健康に対して強い関心を持っています。また、要介護状態にならないための予防介護の情報も重要です。

厚生労働省の調査(参照:令和4年 高齢者の健康に関する調査結果)によれば、90%を超えるシニア層は健康に対して心がけていると答えています。

心がけている具体的な内容としては、定期的に検診や、毎日の栄養バランスを考えた食事、散歩やスポーツと幅広く意識をしています。健康維持に積極的に取り組む姿勢が伺えます。

サプリメント

2019年に実施された厚生労働省の調査によると、60代シニア層のサプリメント利用は男性26~28%、女性 28~35%と多くのシニアがサプリメントや健康食品を摂取しています。※

上述の健康への意識の高さや、予防的意味合いを込めたサプリメントの打ち出しが効果的なことが考えられます。

(参照:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」
(出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査III 世帯員の健康状況 」)

趣味・スポーツ

アクティブシニアは趣味やスポーツを楽しむことで心身の健康を保っています。

近年では気軽に通える業態のジムが増え、スポーツスクールやジムの中でもシニア向けのコースを設けているところも多く見られます。

自由な時間が増えたことにより、これまでできなかった趣味やスポーツに時間を費やすこともアクティブシニアの特徴といえます。

旅行

新しい体験や価値観を積極的に求めるアクティブシニアは、旅行を好みます。

これまで行ってみたかった場所に行き、新しい文化に触れ、景色や食事を堪能し、心身ともに豊かになる時間を楽しむ方が多くいます。

また、夫婦で行く旅や、趣味を追求する旅、友人たちと訪れるケースなど様々な目的があるため、ターゲットを絞ったマーケティングが可能です。旅行はアクティブシニアマーケティングでも重要なキーワードとなります。

セカンドキャリア

身体的に健康で、自由な時間もあり、これまでの経験や知識を生かしてセカンドキャリアを築きたいと考えるアクティブシニアもいます。また、働き手の減少などから、アクティブシニアを積極的に採用する社会風潮もあり、働くシニアは増えていくでしょう。

アクティブシニアのキャリア形成は、若年層以上に、給与面以外のところで求めるものがあります。自分の専門性を生かせるか、趣味や好きなことに繋がるか、社会に対して還元できる、役に立てることであるかなど、キャリアに求めることにも特徴があります。

デジタル・SNSコミュニティ

総務省の調査によると(参照:「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)、シニアのスマートフォン利用率は60代以上で85%を超えています。

スマートフォンでSNSを使って、遠方の家族や、趣味の仲間とコミュニケーションを図るなど活用するアクティブシニアも増えています。今やデジタルデバイスもSNSなどのコミュニケーションの場もアクティブシニアの生活に欠かせないものとなっています。

上記のキーワードでアクティブシニアのトレンドを意識し、ペルソナの設定をきっちりと行いましょう。

アクティブシニアマーケティングの成功事例

弊社サービス「らくらくコミュニティ」をご利用いただいて、シニアマーケティングを成功させている事例をご紹介します。

成功事例1:A社(業界:保険業)「非対面販売可能な生命保険の資料請求キャンペーン」

A社では、非対面型の保険商品の資料請求キャンペーンを実施しました。

 

シニアユーザーが興味を持ちやすい、健康に関する記事を提供することで、3.1万人のリーチを獲得し、そこからキャンペーンページへ14,000人の誘導に成功しています。

 

らくらくコミュニティ限定のキャンペーンを実施することにより、最終的には70名以上の資料請求を得ることができました。

 

シニアユーザーが必要とし、興味を持ちやすい記事投稿の内容選定や、シニアユーザーが簡単に入力できる資料請求ページの作成など、デジタルシニアマーケティングの実績が豊富な弊社のノウハウをご活用いただきました。

成功事例2:B社(業界:ホテル業)「タイアップ記事でシニア層向けのブランド認知向上」

シニア層への認知度向上のため、旅行の好きなシニアに便利なホテルと印象付けるためのタイアップ記事広告を掲出しました。

 

記事を閲覧したユーザーへのアンケート調査から、B社の経営するホテルを利用したことがないユーザーのうち、82%が利用意向を示し、13%のユーザーが次回の旅行で利用したいと回答し、利用意向度が上昇しました。

 

「旅行」というキーワードで絞られたユーザーに対してアンケートを実施することで、リアルなシニアの実態を調査することができました。また、その中でシニアにも使いやすい便利なホテルと印象付けることに成功し、潜在顧客を将来の顧客へと掘り起こすことができた事例です。

成功事例3:C社(業界:サプリメント・美容業など)「定期購入健康食品の販売促進」

定期購入型の健康サプリ商材をタイムライン・PUSH通知広告にて訴求したC社の例です。

PUSHのテキストでは不安の解消し、記事広告で商品紹介とお得情報の訴求を行い、約1万PVかつ10%のサイト遷移を行いました。そこからカートへの流入は約17.5%と高い数値を創出しています。

らくらくコミュニティユーザーの目に留まりやすい、広告設置により高いサイト遷移率、また購入率へと繋がりました。ユーザーの求める情報や、不安を解消するためのサプリメントの情報を、丁寧にかつシンプルに説明し、簡単な導線で購買に繋げる工夫により高い広告訴求効果がみられた例です。

シニアマーケティングは難しい?シニア向けビジネスのポイントを成功事例と併せて紹介のまとめ

難しいとされるシニアマーケティングについて、その原因と、成功させるためのポイントを解説しました。 ターゲットとなるシニアのペルソナを明確に把握、設定し、購買層にマッチする媒体へ露出することにより成功する事例も多く見られます。 当社サービス「らくらくコミュニティ」を利用した成功事例をからは、シニアの興味の対象と商品・サービスのマッチングがいかに大切かわかります。

 

また、シニアと直接コミュニケーションを取ることにより、実践的なリサーチが可能です。 ペルソナ設定に必要な行動分析を行い、実際にアンケートなどでシニアのリアルを知る。そしてそれを広告や商品開発に活かすことができれば、シニアマーケティングは成功に近づいているといえるでしょう。 ただ、自社だけでそれらを全て行うのは難しい場合は、一貫してサービスを提供している弊社にぜひご相談ください。