みずほコーポレート銀行産業調査部の調査によれば、高齢者市場を「医療・医薬」「介護」「生活産業」の3事業に定義した場合、2025年には100兆円規模に到達するとされています。
(参照:みずほ銀行「みずほ産業調査 Vol.39 高齢者向け市場」

上記の背景から、シニアをターゲットとした広告施策は、多くの企業にとって喫緊の課題といってよいでしょう。

数多くの企業が参入を試みる中で、プロである広告代理店に依頼するのも一案です。
シニア特化型広告代理店や総合広告代理店など、幅広い選択肢があります。

本記事ではシニアマーケティングにマッチする広告代理店の選び方を説明します。

シニアマーケティングに最適な広告代理店の選定方法のもくじ

シニアマーケティングで広告代理店が有効な理由

出典:photoAC シニアは広告に対して慎重(写真はイメージ)

本項では、シニア向け広告を広告代理店に委託することが有効な理由を解説します。

メディアミックスが重要

シニア市場に限ったことではありませんが、昨今の広告戦略では、複数のメディアを組み合わせることが効果的です。

特に、高齢者の場合は検討を重ねてから消費行動に移る傾向にあります。
また利用者と購入者が違う特殊な消費構造なども顧慮する必要があるでしょう。

そのような背景から、シニア向け広告を効果的にするためにも、メディアミックスはより重要なポイントだと言えます。

メディアミックスの具体例

メディアミックスとは、具体的に以下のようなメディアの組み合わせを指します。

・テレビCM×Webページ / 新聞広告×Web広告
シニア層はテレビや新聞の視聴率が他の世代に比べて高い傾向にあります。NHK放送文化研究所が2021年5月に発表した「2020年国民生活時間調査」によれば、20代、30代の1日におけるテレビの平均視聴時間が2時間未満なのに対し、60代は3時間55分、70代は5時間12分と、かなりの開きがみられます。 (参考:NHK放送文化研究所:2020年国民生活時間調査(※)の報告書)

そのため、テレビや新聞、ラジオといったマスメディアへ広告を出すことは有効です。テレビCMで与えたインパクトが一過性の情報とならないために、SNSアカウントやディスプレイ広告などのWeb広告を組み合わせて、商品やサービスの認知度をより高めることが可能です。

また、マスメディアでは効果測定がしづらいため、オンライン広告を効果的に活用し、その効果を測定することが重要です。

このように各メディアの特性を活かしつつ、広告の精度をあげていくことが大切です。

・SNS×チラシ・カタログ/Web広告×チラシ・カタログ
SNSやWeb広告など、オンラインで広告を出し、カタログやチラシでも同時に訴求する方法も効果的です。

「SNSやWeb広告で見て気になっていた商品のチラシが配布されていたので手に取った」「ネットで何度も広告が出てくるので、手元に情報を持っておきたいと思いカタログを取り寄せた」といったシニアの声も聞かれるように、シニア市場特有の需要からオンライン広告と紙のチラシ・カタログを組み合わることも有効です。

・SNSプロモーション×イベント
自社の商品やサービスを広めるために、プロモーションを行うケースもあるでしょう。SNSなどでの告知に留まらず、関連のあるイベントにタイアップし、サンプルを配ったりアンケートを実施したりすることで、シニア層への認知度を高めることが可能です。

上記のように、いくつかのメディアを組み合わせて広告の効果を増幅させる場合には、色々な広告チャネルを持ち、アイディアや実績がある広告代理店に頼るのが最適です。

使用者と購入者が違う複雑な構造

高齢者商材では、実際に商品やサービスを利用する人と購入者が違うケースも多く存在します。

具体的なケースとしては、被介護者のために、その家族が情報を収集し商品・サービスを購入するといったことなどが挙げられるでしょう。

その際に、広告出稿側として訴求すべきは、使用者と購入者の双方に納得感や満足度を抱かせることです。こうした理由からシニア層向けに広告を出稿する場合、どのメディアにどのような広告を出すのか慎重に検討する必要があります。その際にも経験豊富な広告代理店のアドバイスが非常に参考になります。

このように、高齢者向けマーケットにおいては幾つかのメディアを合わせて使うことが重要で、構造的にも複雑なため、広告のプロである広告代理店の使用がおすすめです。

シニアマーケティングに向けた広告代理店の選択肢

シニア層向け広告の出稿を広告代理店に依頼する場合、どのような選択肢があるでしょうか?2つの異なるタイプを例に解説します。

シニア特化型広告代理店

シニア特化型広告代理店は、シニアに向けた広告施策において豊富な実績を持っていることが大きな利点です。また、シニア市場特有の構造についても熟知しており、それに対応した広告戦略の提案が期待できます。

総合広告代理店

総合広告代理店は、プロモーションの企画から制作に関する業務を全般的に担うことが可能です。ジャンルやメディアについても幅広く対応が可能なので、希望する広告を具現化することができます。

このように、シニア層向けの広告代理店の選択肢としては2つあります。 次にそれぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。

シニア特化型広告代理店のメリットとデメリット

シニア特化型の広告代理店に委託する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのか?詳しく解説します。

シニア特化型広告代理店のメリット

シニア特化型広告代理店のメリットは次のとおりです。

 

  • シニア市場を熟知している
  • 実績が多数あり、豊富な具体例を基にした効果的な提案を期待できる
  • 市場の特異性ついての理解が深い
  • コスト面で、総合代理店と比べると安価に抑えられることが多い

シニア特化型広告代理店のデメリット

一方、シニア特化型広告代理店のデメリットは以下の点が挙げられます。

 

  • 利用できるメディアが制限されることがある。
  • 代理店によって実績や経験値にムラがある。

 

シニア特化型はやはり、経験値の豊富さが一番の魅力です。 また大手総合代理店と比べると価格を抑えることが可能なケースもあります。 その反面、使えるメディアに制限があったり、得意でない分野があるため注意が必要です。 事前の話し合いでやりたいことを明確にし、広告成功例を依頼者側も試行錯誤しながら作り上げていくことが大切です。

総合広告代理店のメリットとデメリット

出典:photoAC 経験豊富なシニア世代。広告で失敗した経験もある(写真はイメージ)

総合広告代理店に委託する場合のメリットとデメリットを解説します。

総合広告代理店のメリット

総合広告代理店を利用するメリットは、以下を参考にしてください。

 

・広告に関する全てを依頼できる。
企画立案から完成品の納品までを一任できるため、自社内のリソースを使うことなく広告展開ができます

・メディアミックスに長けている。
多方面とのコネクションの豊富さも魅力です。そのため、シニアマーケティングに有効なメディアミックスにも長けています。

・必要に応じて部分的・補助的な依頼可能。
広告に関するコンサルティング部門を抱える代理店が多く、スポットで広告依頼をしたり、アドバイザーとして契約を行うなど、自社に必要なポイントで利用できます。

総合広告代理店のデメリット

総合広告代理店のデメリットは次のとおりです。

・シニア市場に対するノウハウが少ない。
先にも触れたように、シニアマーケットの特殊性に対する経験値が少ない代理店もあります。


総合広告代理店は幅広い実績やコネクションが魅力です。 またコンサルティングやアドバイザリーなど部分的に依頼することも可能です。

シニアマーケティングに最適な広告代理店の選定方法のまとめ

ここまで、広告代理店を使ったシニア向け広告戦略の有効性について解説しました。競合の多いシニア市場では、プロの力を借りることは大変有効であると言えるでしょう。 その中でもシニア特化型広告代理店は、シニア層に向けてのキーワードや知見が多く蓄積されている点が魅力的です。 一方、総合広告代理店は、シニアに限らない経験値が非常に多く、メディアミックスなど、枠を飛び越えて広告展開が可能な点が特徴です。それぞれの良い点を組み合わせて、自社にピッタリな広告パートナーを見つけてください。    

弊社でもシニアマーケティングに関するご相談を受け付けておりますので、もしお困りのことがあれば、ぜひお問合せください。

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